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職務経歴書の実例4

時系列と業務別に書き分けた技術職

次は、デジタル画像処理製品の開発一筋で27年間を過してきた斎藤さん(仮名、当時54歳)が、再就職に際して作成した職務経歴書の顛末例です。



技術開発専門でキャリアを積み上げただけあって、職務経歴書も理にかなった構成で、身上書的な導入部で始り、職歴記述が続き、数多い実績をうまく表現しようと「時系列」と「業務別」で書き分けるなど、細部まで丁寧にアピールする技術者らしい文書に仕上っていました。

しかしながら、いかんせん職務経歴書は技術研究者が読む書類ではありません。

高齢域に入っての再就職という目的に対して、アピールポイントが定まっていないため情報量が多くなりすぎ、冗長で見た目にもいかにも読みにくい印象でした。

ここでは、修正前後の比較により修正経過を紹介することで、望ましい職務経歴書の書き方のポイントを確認していきます。

ちなみに、読みにくく、わかりにくくしていた原因は2つ。

一つは「ブロック構成と適度な空間」を意識していなかったこと。

もう一つは「どんな能力があって、何をしたいのか」が見えにくい点です。

ただし、斎藤さんはこの職務経歴書修正を待たずに、その素晴らしいキャリアゆえにすぐに再就職が決ってしまいました。

キャリアに関する情報はほぼもれなく網羅されていることから、斎藤さんの修正例をもとに、ここでは望ましい職務経歴書の書き方を再点検していくことにしましょう。

技術職の職務経歴書(1枚目)

業務経歴書
平成○年4月○日
住所:○○県○○市○○町×‐×‐×番地
氏名:斎 藤 ○○○ 印

<職 歴>
○○○○株式会社(1995年〜現在)
会社概要:工業用顕微鏡、医療機器、半導体関連製造装置などの製造および販売
資本金36億円、社員数120名、東証2部上場
□□□□株式会社(1968年〜1995年)
会社概要:カメラ、複写機、計測器、プリンタなどの製造および販売
資本金250億円、社員数5500名、東証1部上場

<業務歴>
 製品開発業務でイメージ入出力機器、ファイリング機器、医療用連続諧調レーザープリンタ、業務用システム機器などを開発。デジタル化技術および画像処理技術に精通し、コンピュータの周辺機器の開発およびシステム構築のエキスパート。
 開発マネージメント業務では、特許出願、製品企画、EU規格取得、プロジェクトの指揮を実践し、併せて技術者の育成および指導を精力的に展開。
 製品企画、特許出願、開発、生産・販売に至る全工程での豊富な経験を通じ、社業に貢献。

○○○○株式会社
【開発企画課 次長(部下3名)1995年〜現在】
 プロジェクト管理を実践するとともに、プレーイングマネージャーとして特許明細書の作成、CEマーキングの取得申請、DR、VE、事業採算計算、予実績管理、外注開拓などを積極的に展開し、成果を上げる。

□□□□株式会社
【第3開発部 課長(部下28名)1994年4月〜1995年8月】
 全社的構造の転換を図る先陣部隊として、輸出中心から国内販売を重視した、高付加価値システム商品の企画と開発を実践指揮。
《システム商品の開発》
・『カラー画像転送システム』をK社と共同開発し、最高速機として商品化
・『戸籍電算化支援システム』の開発において、購入団体の要求諸事項と汎用コンピュータメーカーの動向を調査分析して、システム構造を決定、コストパフォーマンスが高く、競争力のあるシステムの商品化に成功。
・システム商品中期計画(10年計画)を業界動向、技術動向の両面から検討し、企画書を作成。この成果は、その後、関係開発部署で実現。

技術職の職務経歴書(2枚目)

《製品サポート体制の構築》
・システム商品の品質評価手法と評価基準ならびに価格の算出、ユーザー教育の体制、システム運用の教育要領などを検討、指導し、基本体制を整備
《応用事業体の設立支援》
・開発システムの応用新事業を展開すべく、市場の動向調査、市場規模の試算ビジネスプランの策定を販売会社とともに検討して起案、進出準備を完了
【システム事業企画室 シニアスタッフ 1992年7月〜1994年3月】
 システム事業を市場探索、企画するとともに販売会社に対してシステム製品の販売教育を行い、新事業に備えた環境・体制づくりを推進。加えて、業界活動を積極的に行い、市場活性化に尽力。
《市場探索、企画》
・将来に備えてシステム事業を創出すべく、市場探索と企画に注力。営業部門と連携して、コンピュータ入出力機器(スキャナ、プリンタ、OCR等)を組み込んだアプリケーションを有望な用途として抽出し、企画提案。本作業が前記の中期計画や開発製品として結実
《営業教育》
・システム機器を販売するために必要な基礎知識やオフィス環境に関するユーザー動向などを中心に社内教育を実施し、販売体制作りを強力に推進
《業界活動》
・日本事務機械工業会(JBMA)マイクロ部会(8年在籍)およびOA部会に会社の代表として参加し、多数の小冊子や事例セミナーを開催し業界に大いに貢献するとともに、業界トップの人脈を拡大
・日本画像情報管理協会(JIIM)ビジョン委員会に会社を代表して参加し、あるべき境界の姿を多面的に追求し、同業他社の委員と協力して改善策を推進し、市場の活性化と将来の業界発展につなげるよう布石
【システム開発部 次長(部下17名) 1991年4月〜1992年6月】
《デジタルおよびシステム技術の確立》
・成熟したアナログファイリング機器から脱皮を図り、情報ネットワーク化時代対応し、高度成長が見込めるエレクトロ・ファイリングシステムへ向けて開発を構想。オープン化技術取得(イメージフォーマット、インターフェイスの業界標準搭載)を進め、キーパーソンを育成。
・各種画像処理技術の開発を初歩から進め、製品の付加価値化を促進
・システム構築の中核となるプラットフォームの開発を指揮し、製品化を主導
《応用製品群の開発》
・銀行に納入していたリーダープリンタのユーザー調査を行い、課題を抽出。後工程に人手を要する編集処理への対応策としてデジタル化による解決策を提案。業界初の編集機能付きデジタル・リーダープリンタを完成させ、計算センターや地区センターなどに多数納入。税務調査などの効率化に大きく貢献。
・その他、マイクロファクシミリ、マルチユーザ型デジタル・リーダープリンタを開発

技術職の職務経歴書(3枚目)

【システム開発部 DIPシステム次長(部下17名) 1989年4月〜1991年3月】
 米国市場で急速に伸びてきた、ビジネス文書の回覧に替えてPC端末からPC端末へと電子化した文書を移動させながら業務を処理する「DIPシステム」の国内構築を検討。
 銀行、生保を中心に酔うと探索活動を進め、業務内容および直面する課題への理解を通じ、システム部門、事務管理部門での将来構想を把握。企業内部に深く入り込み業務分析を行い、ユーザー関連部署受注に向けての提案活動を実施。大規模システムであるため、予算不足で受注はできなかったが、この提案内容そのものは最近M生命保険会社で構築されたことが『日経コンピュータ』誌上で紹介された。
【事務機開発部 課長(部下15名) 1983年4月〜1989年3月】
・ファイリング機器、医療用プリンタの製品企画および開発プロジェクトを管理。世界でトップレベルに位置する後述製品を次々送り出し、現在の業界地位獲得に貢献。あわせて、特許出願を主導し記述者を徹底指導し、従来の7倍の安定出願ペースを確立
・情報先進国である米国にたびたび出張し、市場動向や企業情報を収集
・教育インストラクターとして2年間、全社の中堅および基幹社員に儀用務の勧め方についての教育を実施
《担当開発機種》
・PPC汎用リーダープリンタ。世界初の画期的商品。中枢技術・エンジンが米国K社に採用され、世界のベストセラーに成長
・医療用連続諧調レーザープリンタ。米国T社の依頼で開発したCTスキャナ用高IRフィルムプリンタで、米国、欧州でトップの販売シェアを獲得
・電子ファイリングシステム。米国の身の限定販売で、トップレベルのシェアを獲得
・各種マイクロフィルムスキャナの開発。海外からの依頼を含め、3機種を開発
【東京研究所 主任 1979年から1983年3月】
【東京研究所 研究員 1968年から1979年3月】
・自動検索装置付リーダープリンタの開発にあたり、走査光学系および駆動機構を担当
・緊急指令用地図検索システムの開発にあたり、マイクロ地図のハンドリング機構およびX-Y駆動制御装置の設計を担当。N社との共同開発に成功し、東京消防庁、大阪府警、地方県警に納入
・携帯型16mmマイクロカメラの開発にあたり、照明系および筒体構造の設計を担当
・カメラの要素技術開発に従事。エレクトロオートフラッシュ型カメラを研究
・30件以上の特許を出願

<技 能>
 特許出願業務。製品コンセプトの立案。製品開発に直結するマーケットリサーチ。障害克服および問題解決能力。英語文献。・特許・技術資料およびFAX文書の交換可。MacおよびWindowsの汎用ソフトから描画ソフトまで、自在に活用可。

<論文お呼び講演>
論  文:「マイクロリーダスキャナ」(月刊○○、1987年)
「○○統合画像情報管理システム」(○○テクノレポート、1986年)
「リーダープリンタとCARシステムの応用」(同上、1984年)
講  演:「マルチメディア」(関西マイクロ連合会、1993年)
「電子ファイリングシステム」(韓国講演会、1989年)
「デジタルマイクロ」(全国図書館連合会、1985年)
「マイクログラフィックス」(全社新入社員教育、1983〜1985年)

家  族:妻(XX歳)、長女(XX歳)、次女(XX歳)
健康状態:良好
趣  味:音楽鑑賞、麻雀、サッカー観戦


職務経歴書の最大の決め手は「経歴概要」だ

斎藤さんの全体像を明らかにするため、履歴書と重複することは承知の上でもういちど履歴書を作り直して、導入部にしました。

繰り返しになりますが、再就職や転職の職務経歴書では、経験によって身についた能力を明らかにして、今後どうしていきたいかの方向をはっきり表明することが大事です。

とりわけ中高年の方々の場合は、同心円状にキャリアの輪が広がっているわけですから、これからの方向を示すことで活用していく能力が何かをアピールする必要があります。

そこで、導入部の1枚目は別掲のようになりました。

身上部分には、ネット利用があたりまえになった現在を配慮して、不在連絡に便利なEメールのアドレスも追加しました。

次いで、「学歴・経歴」の下に「経歴概要」として、斎藤さんが長年にわたってどんな仕事をしてきたのかを簡潔にまとめて紹介し、新たに、その結果獲得した能力を6つに分類して列記し、現時点で最も力を発揮するのが「開発マネージメント」であることも書き加えました。

さらに、この能力を活かして、規模にとらわれずに先進の開発業務を手がけていきたいという、今後の希望も挿入しました。

これなら、誰でも斎藤さんにどんな能力があり、どんな使い方をすればよいかがすぐにわかります。

なお、見た目のバランスを考えて写真も挿入し、文字がびっしり待った詰まった下半分の視覚効果を和らげています。

履歴書と職務経歴書は基本的に別物ですから、重複しても別段支障があるわけではありません。

もともとあった仔細な経歴紹介部分は、「時系列」と「業務別」に書き分けた部分と重複するので、思い切ってばっさり切り捨ててしまいました。

技術職の職務経歴書(添削後1枚目)

履歴書
平成○○年○月○日現在 
氏  名:斎藤○○○ 印 (男)
生年月日:昭和○○年○月○○日(満54歳)
現住所: ○○県○○市○○町×‐×‐×番地 〒 XXX-XXXX
電  話 XXX-XXX-XXXX(自宅)
Eメール XXXX@XXXX.ne.jp
家  族:妻(XX歳)、長女(XX歳)、次女(XX歳)
学歴・職歴
1968年3月 ○○大学理工学部精密機械工学科卒業
1968年4月〜1995年8月 ○○○○株式会社(東証1部上場)
1979年4月 主任(研究部:部下5名)
1983年4月 課長(事務機器開発部:部下17名)
1989年4月 次長(システム開発部:部下17名)
1995年8月 事業所閉鎖に伴い希望退職に応募
1995年〜1999年4月 □□□□株式会社(東証2部上場)
1995年10月 次長(技術部:部下5名)
XXXX年○月 新規事業凍結に伴い会社都合退社
経歴概要
 ○○○○株式会社における27年間の勤務を通して、製品開発に関わる豊富な知識と経験を蓄積。オプトメカトロニクスを駆使し、コンピュータ周辺機器、医療機器などの開発で数々のヒット商品を誕生させる一方で、これら製品のシステム化を推進し、高付加価値のシステム製品へと発展させてきた。
 世界市場を見据えた製品開発を身上とし、国内はもとより海外市場の動向は空くや、開発プロジェクト指揮を通じて先端技術の育成に努め、国際的に通用する製品を手がけて成功に導いてきた。
 新規事業企画では営業部門と協力して、指導・支援を行いながら新規事業の発掘から立上げに至る一貫した作業に取組み、新規事業開拓のノウハウを習得した。
 □□□□株式会社ではプレーイングマネージャーとしてプロジェクトの推進はもとより、経営改革の一環として開発体制の強化に取り組んできた。当初弱体だった特許取得や知的財産の育成に関する教育と指導に取り組んだ結果、多数の特許およびCEマーキング等を取得。また、半導体製造装置や計測機器の開発では自動化とシステム化を強化し、製品の高付加価値化も実現できた。
 これまでの経験を通して精力的に培ってきた能力には
1. 開発プロジェクトのマネージメント(QDC管理、損益管理、予実績管理、技術指導など)
2. 製品企画・立案(中長期計画、製品企画、コンセプト構築など)
3. 新規事業企画と立上げ(技術分析、市場分析、投資・採算見積り、事業家計画・提案など)
4. 製品・システム設計とその技術指導(業務用高度先端システム、OAシステム機器、各種半導体製造・検査機器などを経験)
5. 安全設計・CEマーキングの取得(EMC、LVD、MDDの取得、技術マニュアルの作成など)
6. 開発関連法務(潜在特許の発掘、および特許に関する各種書類の作成など)
等がある。
開発を取り巻く広範な業務を実践展開・指導してきたことから、現在最も得意とするのは「開発マネージメント」と自覚している。今後も、ベンチャー企業や先端企業の中で開発関連業務を手がけ、企業の発展に貢献していきたいと考えている。

罫線はなるべく使わない

次が時系列の職歴紹介です。

この種のスタイルは年表に用いられる形式で「編年式」とも呼ばれていて、職務経歴書ではポピュラー化しています。

内容的にはほとんど変らないのですが、配置の妙というか、もともとの方は罫線に邪魔をされて、目線がスムーズに流れていきません。

横書きの場合は文字を追う目線が左から右に流れていくのが自然ですが、それが罫線でブツブツ寸断されているため、見にくい印象を与え、それが読みにくさにつながっているのです。

経歴書もこのくだりを読む段階では、「いつ・何をしたか」にポイントが移っていますから、その時点の居場所や肩書は重要ではありません。

そこで余分な情報を罫線と一緒に取り払ったのが修正後のものです。

技術職の職務経歴書(添削前の時系列の職務経歴)

職務経歴書(A)
平成○○年4月○日
氏名 斎藤○○○(54歳)
年月 期間 所属・肩書 勤務地 担当業務と実績
昭和43年4月〜 11年 ○○○○株式会社
研究部
東京研究所配属
東京 自動露出カメラの応用研究
16mmマイクロカメラの開発
ナビゲーションシステムの開発(N社との共同開発)
昭和54年4月〜 4年 同所
主任研究員
COM用プリンタの開発
走査光学系の考案・開発
反転PPCプロセス開発
昭和58年4月〜 6年 事務機開発部
課長
汎用PPCプリンタの開発(世界初、米国K社に主要ユニット3万台をOEM供給、特許出願多数、技術論文発表)
昭和64年4月 ○○開発センター
(事業所移動)
神奈川 CTスキャナ用プリンタの開発(米国T社との共同開発、世界シェア60%、特許出願多数)
平成1年4月〜 3年3ヵ月 システム開発部
次長
フィルムスキャナの開発
電子ファイリングシステムの開発(米国市場で発売、技術論文発表)
平成4年7月〜 1年9ヵ月 東京支社システム事業本部事業企画室
シニアスタッフ
東京 システム事業計画
システム営業教育および販促強化
平成6年4月〜 1年4ヵ月 東京支社開発センター第3開発部○○課
課長兼務
カラー画像転送システムの開発(JPEG圧縮技術、画像処理)
OCRシステム開発(T社と共同開発、7000万円/台)
平成7年8月 ○○○○株式会社希望退社
平成7年10月〜 3年6ヵ月 □□□□株式会社入社
開発部 次長
東京 半導体製造装置の企画・開発
レビューステーションの開発
赤外線故障解析装置の企画構想
両面マスクアライナーの開発
技術管理
平成○○年4月 □□□□株式会社
会社都合退社

技術職の職務経歴書(添削後の時系列の職務経歴)

職 歴(時系列)
1968年4月〜95年8月 □スチルカメラの要素技術開発
○○○○株式会社 □16mmマイクロカメラの開発
68年7月〜83年3月 研究部 □住宅地図自動検索システム
・ PBXとオンラインで通報地区検索
□COM用リーダープリンタの開発
□走査露光光学系の考案・試作・評価
□PPC反転現像プロセスの開発
83年4月〜89年3月 事務機開発部 □汎用型PPCリーダープリンタの開発
・世界初、米国大手メーカーに3万台をOEM供給、特許を多数出願、技術論文を自社技術誌に発表
□CTスキャナ用プリンタの開発
・米国大手感材メーカーとの共同開発、世界市場シェアの60%、多数の特許出願
□階層別教育インストラクターを担当
89年4月〜92年6月 システム開発部 □フィルムスキャナの開発
□電子ファイリングシステムの開発
・米国市場で発売、技術論文を発表
92年7月〜94年3月 事業企画本部 □新規事業探索・企画・提案
□新規事業の開発・立上げ
□営業マン教育およびシステム販売強化指導
94年4月〜95年8月 第3開発部 □高機能ページプリンタの開発
・アドビー新言語、オプションサポート
□カラー画像転送システムの開発
・JPEG圧縮・加増処理技術開発
□戸籍電算化システムの開発
・大手電機メーカーとの共同開発
95年10月〜○○年3月 技術管理全般を実践
□□□□株式会社 □製品企画・製品設計
95年10月〜○○年3月 技術部 □予算・損益管理、特許開発関連法務
□安全設計、CEマーキング取得

求人を前提とした職務経歴書と自己開拓転職の職務経歴書の違い

次はキャリアを業務別に分類して書き換えたものです。

「業務別」あるいは「キャリア式」と呼ばれていて、技術者やゼネラリストの特徴を示すのに適したスタイルで、当人の経験や実績が一目でわかる優れた書式といえます。

元の方は「どの種の機器」を開発したかという視点で分類してあるのに対して、修正後のものは「どの種類の仕事か」の視点から分類してあります。

この形式の違いは、前者が「求人」を前提にしているのに対して、後者は「自己開発転職」を目的としているからです。

斎藤さんは、当初求人マーケットで仕事を探しましたが、そこで募集している職種は「機器の設計・開発」が圧倒的多数だったため、このような職務経歴書に工夫したものです。

ところが開発最前線が求めるのは若い現役バリバリで、54歳の斎藤さんには一向にお鉢が回ってきませんでした。

斎藤さんの本当の力量は、開発最前線の技術現場ではあっても、個別の技術開発ではなく、開発業務全体を目的に添ってうまくマネージメントしていくところにあります。

このことは時系列の業務経歴書でも明らかです。

それゆえに、業務別の職務経歴の分類も、研究開発、新規事業計画、技術開発のトータルマネージメントとスキルレベルの高さで分類し直しました。

それがよりセールスポイントを鮮明にすることになります。

技術職の職務経歴書(添削前の「業務別」の職務経歴書)

職務経歴書(B)
平成○○年4月○日
氏名 斎藤○○○(54歳)
半導体製造関連装置 ・レビューステーションの開発
製品仕様の検討と作成、構想設計、開発日程策定、プロジェクト管理(進捗管理、予算管理、技術管理)、原価見積り、事業採算検討、DR、契約書の作成、取扱説明書・セールスハンドブックの制作
・赤外線故障解析装置の開発(試作設計段階)
要素技術検討、基本仕様の作成、開発日程の策定、構想検討、DRなどプロジェクト管理
・両面マスクアライナーの開発
製品仕様の検討と作成、開発日程策定、原価試算、事業採算計算、プロジェクト管理(進捗管理、予算管理、技術管理)、DR、セールスハンドブックの制作
医療機器 ・CTスキャナ用プリンタの開発(世界シェア60%)
精密光学ヘッドの設計、プロジェクトリーダーを担当、T社との技術折衝、DR、評価仕様の作成、特許出願、製造部署への技術指導など
・MDD規格の取得申請
EMC評価、MDD適合評価、テクニカルレポートの作成、申請資料の作成、T社とのコーディネート、マニュアルの作成
カメラ開発 ・自動露光カメラの開発
露光システムの考案、特許出願、露光評価試験
・16mmカメラの開発(世界市場を米国K社と2分し、ロングセラー商品に)、照明解析、照明装置の設計
OA機器開発 ・COM用プリンタの開発(大手都市銀行、主要自動車メーカーに販売)
現像プロセス開発、XY自動制御機構の設計、光路制御機構の設計
・PPC汎用プリンタの設計(米国K社にエンジンユニットを供給、金融・生保市場を独占し、高い性能評価を得る)
両極現像システムの開発、走査光学系の考案、現像システムの設計、特許出願、論文作成、プロジェクトリーダーを担当
システム機器開発 ・電子ファイリングシステムの開発(米国市場で発売、一部はOEM)
システム設計を担当、フィルムスキャナの設計、画像処理開発、技術論文作成、アプリケーションの探索、ソリューションビジネスの展開
・OCRシステムの開発(T社との共同開発)
システム設計、システム仕様の作成、プロジェクト管理、OCR評価、戸籍電算化システムを構築し自治体へ販促展開、営業教育
・カラー画像転送システムの開発(K社との共同開発)
プロジェクト管理、アプリケーション開拓
業界活動 ・日本半導体製造教会(SEAJ)事務局員(3年)
・日本事務機械工業会(JBMA)OA部会およびマイクロ部会委員(7年)
・日本画像情報管理協会(JIIM)ビジョン委員会委員(3年)

技術職の職務経歴書(添削後の「業務別」の職務経歴書)

職  歴(業務別)
研究・開発
(24年間)
□スチルカメラ自動露出装置の研究
フラッシュ露光自動制御装置の考案、試作・評価テスト、研究報告書、特許出願
□16mmマイクロカメラの開発
照明強度解析、携帯型照明装置設計(撮影品質と携帯性が評価され、米国大手メーカーと世界市場を折半するヒット商品になり、15年を超えるロングセラーを達成)
□COMリーダープリンタの開発
現像器、XY自動制御機構、光路制御機構の設計および生産委託先への技術指導(都市銀行、自動車メーカー、ガス・電力会社のほとんどに納入実績)
□PPC汎用リーダープリンタの開発
プロジェクトリーダーを担当、走査光学系の考案・設計、両極現像の画像評価および条件設定、特許出願、技術論文作成(世界初のPPC汎用タイプで、発売と同時に大反響を呼び、米国最大手メーカーにOEM供給したことで、世界の金融市場で独占的シェアを獲得
□CTスキャナ用連続諧調レーザープリンタの開発
プロジェクトリーダーを担当、高品位レーザー光学ヘッド設計、海外ベンダーとのDR、評価仕様の作成、特許出願、製造技術指導(米国大手感材メーカーとの共同開発、高分解能・高品位画像が認められ、世界市場の6割を占めるヒット商品となる)
□電子ファイリングシステムの開発
構想設計、スキャナの設計、画像処理開発、技術論文作成(オープンシステムが主流の米国市場で発売。後発ながら市場に定着、連結製品の一部はOEMでも販売)
□カラー画像転送システムの開発(通信機メーカーとの共同開発)
新規事業規格
(3年)
□DIP(デジタル・イメージ・プロセシング)市場開拓
ソリューションビジネスの探索、改善システムの規格および提案、閉業再度への技術支援(営業部隊とともに大手金融機関、官公庁などに業務処理場の問題点調査を行い、問題を解決するシステムを規格・提案し、受注活動を展開)
□DIPビジネスの事業化
戸籍電算化システムの構想設計、開発プロジェクトリーダー、ビジネスプランニング、事業化提案(メインフレーム利用企業やデータ処理サービス会社とのビジネス構築や自治体営業を展開する一方、システム構築ではプロジェクトリーダーを担当し、試作システムを完成。新規事業として完成機を活用したデータ入力会社の規格を提案し、設立に着手)
開発マネージメント
(3.5年)
□製品中長期計画(工業用顕微鏡・計測機器の中長期計画の策定)
□特許出願
リエゾン活動、特許明細書の作成、拒絶審判の意見書作成、訴訟特許対する技術調査意見書の作成(特許教育、リエゾン活動を精力的に行い、開発技術の特許を多数取得。明細書から意見書まで一手に引受け、実務にあたる
□開発予算および製品利益管理
開発予算編成、開発費管理、新製品原価見積り、新製品損益計算(年間開発予算の編成とその管理、製造原価・損益管理、外注開拓および価格交渉等)
□国際規格の取得
CEマーキングの取得(工業顕微鏡、計測機器、半導体製造関連装置、医療機器の安全性テストおよび適合テストを主導、主要製品すべてにつきCEマーキングを早期取得)
□開発関連法務
開発関連契約書、貿管令非該当証明の作成を担いマニュアル化、データベース化を推進。

最後の1枚は、斎藤さんの能力から生じた付加価値として、PCスキル、渡航経験と英会話能力、論文や講演、教育指導力などを「特記事項」としてまとめたものです。

中高年の方々は長く深いキャリアをお持ちですから、その分野での造詣の深さや豊な人物像が感じられるよう工夫しましょう。

技術職の職務経歴書(添削後に追加した「特記事項」のページ)

その他の特記事項
PCスキル Windows、Mac環境の別なく、技術ソフトおよび主要ビジネスソフト、PowerPoint、Illustratorなどを自在に駆使
語   学 英語。読み書き、日常会話は業務上支障なし。
渡航経験 米国7回、メキシコ1回、韓国1回の業務出張経験
論文・講演 論文関係:
リーダープリンタとCARシステム 84年、○○テクノレポート掲載
○○統合画像情報管理システム 86年、○○テクノレポート掲載
マイクロリーダスキャナ 87年、専門誌○○掲載
講演関係:
デジタルマイクロ 85年、全国図書館連合会
電子ファイリナ具システム 89年、韓国○○しゃ主催講演会
立体コピー 91年、山梨大学
マルチメディア 93年、関西マイクロ連合会
教育・研修 階層別教育:全事業所の中堅および基幹技術系社員を対象に、階層別社員教育を実施。事例研究、演習問題、グループ討議を通して、科学を基礎とする仕事の進め方や監督・管理のあり方などを指導。
業界活動 日本事務機械工業会(JBMA)OA部会およびマイクロ部会委員
日本画像情報管理協会(JIIM)ビジョン委員会委員
日本半導体製造教会(SEAJ)事務局員
健康状態 良好
趣   味 サイクリング、サッカー観戦
性   格 肉体的・精神的にタフで何事にも辛抱強く取組む。課題解決力や協調性には自信があり、これまでさまざまな難題に対しても関係者と協力して解決してきている。また、未経験分野の開拓経験から、自ら積極的に行動して組織を動かし、成果を実現できるタイプです。

一般公募の場合に最終選考にまで残っていて、甲乙つけがたい候補者が複数の場合などでは、どれだけ付加価値を考慮できるかが勝負の別れ目になります。

その際の決め手としてこうした記述が特に有効です。

一般公募と自己開拓転職での違いを理解する上で、斎藤さんの場合は好例なので、ぜひ比較対照してその違いを感じとってください。

29回転職に成功した!!再チャレンジ転職法
自らアプローチ
転職の4つのミスマッチ
年齢ミスマッチと転職成功率は関係ない
中高年の転職仲介は難しい
潜在ニーズに訴える
正社員と契約社員どっちが得?
自己分析して職務経歴書を書く
自己分析・戦略の構築・人脈の整理
転職の情報をくれそうな人脈
人脈への紹介依頼は文書で
アプローチする会社は10社程度に絞る
アプローチは3つのパターンで
人脈のない場合は社長宛てレター
返事がないときはフォロー
ペンディング状態は自分で意思選択
自立した職業人
じっくり自己開拓戦略をたてる
自己開拓転職のポイント
給料交渉の進め方
求人していない会社への売り込み事例1
求人していない会社への売り込み事例2
求人していない会社への売り込み事例3
求人していない会社への売り込み事例4
求人していない会社への売り込み事例5
求人していない会社への売り込み事例6
求人していない会社への売り込み事例7
求人していない会社への売り込み事例8
求人していない会社への売り込み事例9
求人していない会社への売り込み事例10
求人していない会社への売り込み事例11
職務経歴書の意義
身につけた能力・身につけてない能力
職務経歴書に決まった書き方はない
職務経歴書の内容のポイント
履歴書と職務経歴書
履歴書の添削
職務経歴書の実例1
職務経歴書の実例2
職務経歴書の実例3
職務経歴書の実例4
職務経歴書の実例5
最後に
新規就農マニュアル【農業転職法】
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「究極の転職マニュアル」元採用担当者が暴露する転職採用の裏側。希望企業への転職を成功させる極意が満載!!
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元採用担当者が暴露する転職採用の裏側!自ら転職と採用担当を経験した筆者が書き下ろした「究極の転職マニュアル」。採用担当者を唸らせる応募書類の書き方、面接官も脱帽の面接対策をたっぷりお伝えします

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求人のない企業へ転職する方法 All copyrights 2010 by 小田篤史
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